第28回 日本定位放射線治療学会

ご挨拶

第28回日本定位放射線治療学会

会長 青山 英史

(新潟大学大学院医歯学総合研究科 放射線医学分野)

このたび平成31年6月14日に、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター(新潟市)において、第28回日本定位放射線治療学会を開催させていただくことになりました。本会は、高精度放射線治療の一つである定位放射線照射(以下定位照射)をテーマとした学会です。1992年に高倉公朋先生(東京女子医科大学・当時)を会長として第一回大会が開催され、今回で28回目となります。当初は脳疾患のみを扱った会であり脳神経外科が主催する形でしたが、2004年の第13回大会以降は3回に1回は放射線腫瘍医が会長を務める形になり、今回は放射線腫瘍医が主催する会としては6回目になります。また定位照射の肺癌や肝臓癌など体幹部疾患への適応拡大に伴い、参加者も従来の脳神経外科医と放射線腫瘍医に加え医学物理士や放射線技師の参加も増えており、まさに高精度放射線治療を扱った総合的な学会に成長してきました。

今回のテーマは「定位照射の未来を語ろう」としました。この10年間で癌治療は大きな変貌を遂げてきましたが、それは主に分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの薬物治療の革新的進歩にあります。薬物療法などの全身治療の進歩は局所治療の意義を高めることは歴史的に証明されています。しかしながら現状では、定位照射などの局所治療の適切な介入時期は明らかではなく、結果的に局所治療を入れるタイミングを逃してしまうということは臨床現場でしばしば目にします。これまで本学会においては局所効果における手術と定位照射の対比などが主なテーマとして扱われてきました。第28回大会では定位照射の持つ局所治療の側面にとどまらず、集学的癌治療の一部としての定位照射の役割を語り合い、その未来像を描くきっかけにしたいと考えております。

実り多い会となるよう鋭意準備を進めております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。